2016年7月21日木曜日

大規模プロジェクトは、なぜ大規模になるのか?

今回は、タイトルをテーマに書いてみたいと思います。

私は、大規模プロジェクトに参画することがおおかったのですが、たいていの場合数十億〜数百億というプロジェクト規模のことが多いです。半端ない金額ですがなぜこんな金額になってしまうのでしょうか?
人月換算はあまり好きでは有りませんが、10億円で一人月単価100万円(高い方と思います)で1000人月(本当は、HWやSWのライセンス費用等も含まれるので、こうはなりませんが)です。一人の人が83年間かけて達成するプロジェクトです。

以下に理由を列挙してみたいと思います。

  1. 古いプロジェクトの刷新が多い(新しくて10年、古ければ数十年前のシステム)
  2. よって当初シンプルだったシステムもその年数分の機能追加がなされ、複雑化している。
  3. そのシステムを刷新する場合、その機能追加も含めたシステムの置き換えを図ろうとする。
  4. よって旧システムの当初開発の費用+経た年数分の機能の費用がかかってしまう。と考えます。(昔のシステムは、柔軟な機能追加を考慮して開発などしていない場合が多いので、システムが複雑化しやすい。)

では、どのように解決していくか?

  1. 機能の8割はレアケースの処理のはずなので、バッサリと切り捨てる。
  2. 切り捨てられない場合でも、機能の優先順位をつけ、当初サービスインのスコープから外し、その後速やかに随時機能を追加していく。
と考えます。一緒にプロジェクトをした外国人に言われたのですが、曰く「日本人はマニアックスすぎる」とのことでした。上記に示した解決方法は日本人の美徳と言われる丁寧さ、繊細さからは抵抗感があるとは思いますが、グローバル化の進むIT業界では、スピードがなにより重要です。

割り切る覚悟がIT開発プロジェクトに必要と考えます。


3 件のコメント:

  1. 日本人は、とにかく「ウチは特殊だから」などと、その会社しか知らないはずの人が口にするくらいオーダーメイド志向ですからね。
    ERPプロジェクトが炎上するなんて信じられないですからね。

    既製服は安さが売りなのに、既製服をかっておきながらあれこれ手を入れて型がすっかり崩れてしまうし、復旧不可能でお金もかかちゃったし、みたいな。

    本末転倒。

    割り切りする必要がある部分は大抵くだらないことなので、開発側からすると切りたいですが、それをやると仕事が部署ごとなくなっちゃうことで必死な抵抗に遭ったりしますけど、それを浴びせ倒すだけの豪腕が必要です。

    大抵、大手SI屋さんだと、客に媚びへつらう営業が客側について敵に回ったりします。それさえもばっかり斬るくらいの豪腕が必要です。
    ワタシの視点ではありますが。。

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    1. コメントありがとうございます。直近悩まされたのは帳票を出力するときに、ある場合は一つの取引を2行で表現し、ある場合は3行で表現するという要望でした。常に3行固定ならプログラムとしては、ずっとシンプルになるのに。。紙が多くなるというのはその通りですが、紙出力をなくすという視点もないのでおかしな話になります。

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    2. デジタルネイティブが意思決定者になれば話は変わってくるんでしょうけれど、今、上層部にいるのは、ワタシの世代で、駆け出しの頃に、パソコンも無く、手作業で仕事を覚えてそのまんま上に上がってきてるので、全く発想ができないというか、適応できない世代が上にはびこってます。

      ワタシの同級生で連絡網にFacebookとかLINEとか使おうとしたんですが、まず使ったこと無い=使えない。

      使ってみようとも思ってないんですよね。ワタシからすると信じられないんですが、もうアタマの硬い老人そのものです。

      パソコンとかも、会社のシステムの定型の画面しか使ったことがない。

      だからワタシも、電話番号と年賀状の宛先情報が未だに削除できない。

      そんなので連絡取り合う時代じゃあないのにね。

      81歳のウチの母は、毎朝、イギリスの孫と、Nexus7でSkypeでテレビ電話してるというのに。

      でもまぁそういうサルみたいな世代がくだらない需要を生み出しているのも事実です。

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